7/22元麻布にあるkaikaikikiギャラリーでの青島千穂展のレセプションに友人と出かけた
閑静な住宅街の一角、大きいが低層のビルの地下。表に何も看板のようなものが出ていないせいか若者が表に立って案内をしていた。スーツをピシッと着こなし、にこやかなソフトな今どきの若者が3 人。思いのほか広く天井も高く、コンクリート打ちっぱなし、素晴らしく気持ちのいい空間だ。
オーナーは今をときめくアート界の寵児、村上隆氏、画家でプロデューサー、そしてコレクター、画廊の経営者である。展覧会は3つのパートに分かれていてプロジェクターで壁に写すというビデオインスタレーションである。
青島千穂さんは村上さんがミスター、タカノ綾に次いでプロデュースした3人目のアーティストという。
「高天原」は大型のプロジェクターで壁に写し出される作品。2015年にシアトル美術館で発表したもの。アニメーションパートナーは、ブルース・ファーガソンと彼の工房ダークルームスタジオ。24メートルの長さの画面で、火山の爆発、津波などエンドレスで映像が壁に写し出される美しい色彩とドラマ性があきさせない。
「Little Miss Gravestone’s Absent Musings」(お墓ちゃんがぼんやり思うこと)は、墓を舞台としているのだろうか。死者が三味線を抱え歌を口ずさむ風景。この世とあの世の境界のない世界が歌詞の内容という。背には墓石を背負い3部作(triptych)、浮世絵の3枚続きからのインスピレーションか。私の外国の友人はこのビデオに大変関心を持っていた。
「カーネギーインターナショナルでの出品作「マグマ魂爆発。津波は恐いよ。」は津波と火山爆発をテーマにした超大作で、その作品を発表した直後、インドネシアの津波が発生していた。その後、心の暗黒部分にとらえられてしまい、途中、迷路に入ってしまい、アイディアを練れなくなってしまったとある。
2011年東日本大震災が起き、青島がテーマにしていた天変地異が実際に日本で起きてしまう。自然の大きな胎動をスピリチュアルな印象で感じていたことが現実に身近に起きてしまったことが、彼女にショックを与え、こじれていた心のカギが再び開けられ、作品制作のきっかけを再び得ることになった。それが2015年にシアトル美術館で発表したアニメーション作品「高天原」である。」 村上談
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