2013年9月21日土曜日

生田長江「震災記事」-関東大震災後1カ月の日記

生田長江の顕彰を何年もの時間を費やし研究してきた友人がいる。
生田長江は鳥取日野町出身、日本の近代を病と闘いながらいき抜き、文学者、評論家として多くの足跡をのこした人とある。
 『白つつじの会』生田長江顕彰会から小冊子が送られてきた。
貴重な生の記録でありこのように覚めた目で大地震という未曽有の天災から将来への洞察をしている生田長江という人はどんな人であったのであろうか。
1923年9月5日
東京市外、北品川御殿山718 中村古峡君邸内にて筆を執りはじめる。
                           生田長江
午前11時50分頃、突如として地震が始まる。いつもの水平動と異なり上下動だなと気附くと共に、予は本能的に要三郎の大卓の下へ頭をつき入れしが,動揺は更に猛烈を加え来たりしかば、3人とも夢中になって階下へ飛び降りる。
_で始まる日記。
 顕彰会の代表である河中信孝さんはドイツの女流画家であるケーテコルビッツを通じて知った永年の友人である。彼が生田長江のことを顕彰していると聞いてはいたが近いうちにまとまった形で本になるらしい。この小冊子の最後に解題として河中さんは、『生田長江は関東大震災の日、1923年9月1日からちょうど1カ月間、詳細な日記をつけている。あの非常時、大難のなか、取り乱さず冷静に社会を見つめている長江の精神性と家族の中で周囲に目配りし、来客も少ない長江の暮らしぶりを示す貴重な資料であり、社会の動きに対して庶民の暮らしに共感をよせ、財閥、大資本の横暴には批判的な目を向けているヒューマニスト長江を見ることができる。』
 この小さな冊子に現代をいきる私たちに多くの語りかけがあるように思い紹介したいと考えていた。
 白つつじの会 生田長江顕彰会  0859-72-1300
 http://my.sanin.jp/site/page/hino/choukou/

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