2013年9月24日火曜日

もとエリートバンカーが自宅で画廊を

 G 氏は私が知りあったころはスイス銀行に勤務していた。インドの人でまだ40代後半だと思う。夫人は、といっても書類上の結婚はせずそうするとガ、ールフレンドとこちらでは言うらしいのだが、南米のコロンビア出身、昔の日本女性のように控え目で静かな美しい女性だ。
 2人ともニューヨーク大学出身でマンハタンのアパートを売りプリンストンに大きな家を買い移り住んでから彼女は週に3日、ニューヨークでソーシアルワーカーとして働いている。G氏はインド人特有の彫りの深いハンサムな人だ。
 美術を通じて友人を介して知り、ニューヨークにくると時々彼らの家を訪問しひと時を過ごす。
 G 氏から自宅の1室をショールームにしてローカルアーテイストを紹介していきたいと、メールで写真等送られてきたので訪ねることになった。G 氏は今は拘束された仕事は持たず時間が沢山あるようだから、そしてインドの人特有のビジネス感覚が優れているからどのような展開になっていくのか今後楽しみである。
 コンピューターの出現により社会の常識も大きく変った時代にあって情報を得るのも容易になり私などの世代が生きてきた時代との隔たりをまた感じるひとときでもあった。

 
 


2013年9月22日日曜日

ニューヨークの寿司レストラン

 レキシントンのコーナーにある『みしま』にこちらで会社を経営している中国人のご夫妻が夕食に『みしま』に行こうと招待してくださった。
 そんなに広くないシンプルなたたずまいの店にはすでに席がなくしかしご夫妻が常連だとみえてサーブする女性が気を利かせてしばらくして席を用意してくれた。注文しようにも他の客のことで手が回らないらしく30分もしてからようやくオーダーしてホツ、としたのだが。
 新鮮でボリュームもありアメリカ人やニューヨークに住む日本人以外のお客に愛されてフアンが多いらしい。主人「シエフ」の名前もきかなかったが少しだけ話すことができた。レストランを初めて18年になるという。
 お店のインテリアや雰囲気で高級に見せていてとても高い寿司レストランが多い中とても繁盛していて驚いた。
 注文を取りにくるのが遅くとも席がゆつたりしていなくともご主人が愛想がよくなくてもお客が満足しているレストラン、、とても印象的であった。
 

2013年9月21日土曜日

生田長江「震災記事」-関東大震災後1カ月の日記

生田長江の顕彰を何年もの時間を費やし研究してきた友人がいる。
生田長江は鳥取日野町出身、日本の近代を病と闘いながらいき抜き、文学者、評論家として多くの足跡をのこした人とある。
 『白つつじの会』生田長江顕彰会から小冊子が送られてきた。
貴重な生の記録でありこのように覚めた目で大地震という未曽有の天災から将来への洞察をしている生田長江という人はどんな人であったのであろうか。
1923年9月5日
東京市外、北品川御殿山718 中村古峡君邸内にて筆を執りはじめる。
                           生田長江
午前11時50分頃、突如として地震が始まる。いつもの水平動と異なり上下動だなと気附くと共に、予は本能的に要三郎の大卓の下へ頭をつき入れしが,動揺は更に猛烈を加え来たりしかば、3人とも夢中になって階下へ飛び降りる。
_で始まる日記。
 顕彰会の代表である河中信孝さんはドイツの女流画家であるケーテコルビッツを通じて知った永年の友人である。彼が生田長江のことを顕彰していると聞いてはいたが近いうちにまとまった形で本になるらしい。この小冊子の最後に解題として河中さんは、『生田長江は関東大震災の日、1923年9月1日からちょうど1カ月間、詳細な日記をつけている。あの非常時、大難のなか、取り乱さず冷静に社会を見つめている長江の精神性と家族の中で周囲に目配りし、来客も少ない長江の暮らしぶりを示す貴重な資料であり、社会の動きに対して庶民の暮らしに共感をよせ、財閥、大資本の横暴には批判的な目を向けているヒューマニスト長江を見ることができる。』
 この小さな冊子に現代をいきる私たちに多くの語りかけがあるように思い紹介したいと考えていた。
 白つつじの会 生田長江顕彰会  0859-72-1300
 http://my.sanin.jp/site/page/hino/choukou/

2013年9月20日金曜日

Asian Week

 ニューヨークでは各地で9月半ばから秋のオークシオンが開催されている。
2大オークシオンハウスといえばクリステーズとサザビーズが知られているがながい歴史があるので信用は絶大である。
 私も西洋版画を扱っていたので以前はよくオークシオンで作品を購入したものである。久しぶりにクリステーズの前を通り、日本美術や韓国、また中国美術のオークシオンの下見があり訪れてみた。
 レセプシオン近くのソファはほとんど中国の人々でうまり中国語が飛び交っている。最近はどこも中国パワーが凄い。オークシオンに参加したいと思い聞いてみると以前はオークシオンに参加するのに保証金?など必要なかったのに最近は保証金を払わなければ参加できないようだ。主に中国美術のオークシオンには。
 日本美術の下見会場で見た明治期に主に海外に輸出されるためにつくられた工藝品のかずかず、、こんなに精密につくるのは人間わざとは思われないほど素晴らしく美しい。この時代の日本の職人の技術にヨーロツパの人々は驚き魅了されたときく。この時代のものには霊的なものがあると感じるのは不思議である。
 時代に反映してすべての価値観が大きく変わった現代、美術の世界でも繊細さ等を求めることよりもわかりやすく誰にもアピールするものが好まれる時代になったと感じている。日本美術のオークシオン会場には訪れる人も少なく静かであったけれど何人かの熱心な人々の入札で沸いていた。
 

猪瀬東京都知事のひとつの決断

 何カ月か前、東京都知事の猪瀬さんがニューヨークを訪れて、地下鉄やバスが24時間運航しているのを知り感激してその制度を東京にも施工しようとされたと聞いた。その後月に何度だったか深夜のバスを運行されることになったときいたが、現実に運航されているのか、その結果人々の利用がどれほどあるのかきいてみたい。
 ニューヨークと東京がどうして同じように考えるのか私にはわからない。ニューヨークという町にはそれが必要なのであつてなぜ東京がそのことを真似る?のか真意がわからない。このような胆略的で独りよがりな発想を知事ともある人がされることに驚くのである。日本という国の人々はおおよそ、夜中にバスに乗ったりしない。それとも仕事で夜勤の人たちが利用するのだろうか。それならばまた話しは別なのだが。ニューヨークは24時間眠らない町なのだ。
 それよりも日本の交通費の高いのが何とかならないだろうか。とても高い。海外に住んでいる人たちがまず日本にきて物価の高いことに驚き、その国で生活している私たちを心配してくれることがある。
 ニューヨークにきてうれしいことはまず交通費が安いことだ。誰もが利用している7 days unlimitted card を30ドルで購入するとそのカード1枚でおおよそ7日間何度でも乗れる。バスも地下鉄も乗り放題なのだ。私がこちらで歯医者に行く時40分くらい地下鉄にのり終点の駅からバスに乗り換える時、そのカードで乗れるので本当に便利だ。町はゴミも多くきれいではないかもしれないけれどそのことは大して問題になることではないと思う。
 交通費が高くてなるべく外出を控えているという人たちの多い我が国の方が何か問題なのではないだろうか。私はこの交通費のことは些細なことかもしれないがニューヨークを訪れるたびに常に感激し感謝し恩恵を楽しんでいる。