私が中村眞美子さんのドライポイントによる作品を初めて目にしたのは長野県小海町にある小海町高原美術館であった。
2015年4月10日に”そこにあるもの-モノクロームの魅力”展のレセプションに参加する為東京から乗り継いで美術館に行った。
安藤忠雄デザインの美術館は山の谷間にひっそりと周囲の景観をくずさずあった。3人の若年のアーティストの一人として彼女は選ばれて、一番奥の部屋に展示されていた。作品は全く異質の存在感があった。
その前に一度、その時黒姫にあった平山氏の落葉美術館で中村眞美子さんの作品を見たことを思い出した。
夕闇迫る天井高い木の壁を背景に、その作品は3つの版からなる大きな作品(triptych)であった。秋から冬に移り変わる信州の風景、雪をかきわけて植物がすっきりとした葉を見せている作品であった。
描きすぎない最小の表現で最大の効果を、という制作態度はすでに完成した作家の作品とも感じられた。
展覧会は全くのモノクローム、パネルに仕込まれた和紙に刻まれたドライポイントは、そのするどさがかえって静謐な世界が広がり鮮やかな白とあいまって美しかった。
静謐な世界が広がり、モノクロームの世界の美しさを現出していた。
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