2016年2月9日火曜日

嶋田 しづ さま


 昨日横須賀美術館での嶋田しづ X 磯見輝夫 展のレセプシオンに参加させていただいたものです。
 いろいろな機会に先生の作品に触れる機会があり今回の横須賀美術館の素晴らしい空間でどのような作品が拝見できるだろうかと楽しみでした。
 フジテレビギャラリーでの展覧会も拝見しています。
先生の作品はたおやかな色彩とムーブメントがどんな画家にもない世界を創り見る者をうつとりさせます。
 一度お目にかかることが出来ればと、昨日レセプシオンにうかがわせていただきました。また山本理顕氏の設計なる横須賀美術館は私の最も大好きな美術館で昨日も中から海を見渡し何て素敵な設計なんだろう、、、とあらためて感心しました。光がうまく採り入れられて、時には海の中にいるような気持ちにもなるし,3次元の世界にいざなわれそうな空間でもあるし、、
 初めてお目にかかりましたのに写真を撮らせていただきましたのでお送りさせていただくことに致します。何枚かは暗すぎてお送りするには良くないと考え残念ですがお送りするのを断念いたしました。
 また、この展覧会が4月1日とサクラが咲く頃までの会期であることもうれしいですね。友人達にも伝えて多くの人たちが今回の展覧会を見に行き至福のときを過ごされることを待ち望みっつ。
                       2月7日、2016

                       浅野 恵巳
 





2016年2月5日金曜日

わだつみの声・日本戦没学生記念会(2月1日)


 ついに、わだつみのこえ記念館をお尋ねする事ができた。

それは本郷にある東大の赤門前をすこし入ったところにあった。何故もっと早い時期にくることができなかったのかと後悔の思いがある。この記念館を立ち上げようと努力されておられた山下 肇先生からお聞きしながらあわただしさにまぎれていたのだろうか、、、わだつみの会記念館の初代館長であられた山下先生は2008年になくなられたのであった。

 先生との出会いはケーテコルヴィッツ展を通してだった。ドイツの女流画家ケーテは近代ドイツの生んだ最も秀でた画家の1人であり私は事情の許す限りケーテの版画や素描を紹介する事に勤めた。山下先生はいつも笑顔を絶やさず優しい方で私の仕事をはげましてくださった。物知りの友人、正岡さんが山下先生のことをよく知っていて高名などイツ文学者だよ、と教えてくれた。

 日本戦没学生の手記 「きけ わだつみのこえ」の刊行から57年、『戦没学生の遺書に見る15年戦争』の上梓から43年、この2冊の本は学徒出陣してついに還らなかった若者達の遺言として読み次がれ、彼らの死の意味を読者にといつずけてきましたーごあいさつ文のはじめの文章である。2006121アジア、太平洋戦争における日本の戦没学生を中心に戦争犠牲者に関する資料を広く収集して展示している。

 

2016年2月4日木曜日

大村 智博士の実学と美学・ラジオ深夜便から

 いつの間にかTVのない生活になって久しい。その代わりラジオを聞くことが多い。ラジオ深夜便を聞く事があるが、早く眠らなくては翌日に差し支えると思いつつ、話し手がノーベル賞を受賞された大村博士だったのでつい最後まで聞いてしまった。

 大村博士は絵画の収集家としても知られ、女子美大の理事長もされていた時期がおありで、5年ほど前、秘書を通じてお会いする機会があった。私はお会いしたいと思った方には、紹介者なしで、不躾と思いながらも手紙を差し上げて面会を求めることが多い。ほとんどの場合手紙は無視されお返事をいただくことは稀だが、大村博士からは秘書を通じて日時の指定があり、お目にかかることができた。

 「芥川紗織の遺族から遺作をすべてお預かりするようになって20数年が経過したろうか。紗織さんは1966年に42歳の若さで没しているから活躍期間は短い。彼女の作品を大村博士の美術館にぜひ所蔵していただきたい」と言うのが、そのときのお願いであった。その後、資料もお送りしたが・・・・
  ご多忙を極め、それどころではないということか、誰の紹介もなしに来た私をどう思われたのか、いまだに私の中ではお返事を待ち望んでいる。

 深夜便のお話は、お会いした方が生の声で話されていたので、リアリティがあって記憶に新たである。博士は年間数十億という多額のロイヤリティをご自身の発明から得ておられることを話され、それらを①研究費として、②北里研究所、③人材育成のため~大きく分けてこの分野に使い社会に還元するということ。人材育成については、若いとき~小学・中学が大事で、大学では遅すぎること、また東京一極集中ではなく地方に多彩な才能が育つことが望ましいと話されていたのが印象に残った。
 大村博士の偉大なことは、素晴らしい学問上の業績だけではなく実学を重んじておられること。学者でありながら経営感覚を備えておられると見た。

 大村博士のお話を聞いて、久保貞二郎先生のことが頭をよぎった。久保先生は東大を出られたあと、1933年地主の久保家に婿養子に入られてから美術に目覚め瑛九、池田満寿夫、AY-O、北川民治、泉茂など多くの作家を援助し、ご自身もコレクターとなられた。美術評論家として有名だが、自ら作品を買うばかりでなく人にも買うことを勧め、絵を所蔵して楽しむことを教えた、正に実学の人であった。実学の人はお金のことをしっかり考えるがそれは私利私欲のためではなくお金が有効に使われて広く世の中を巡り、多くの人を豊かに潤すことを目指すことだと、私は思っている。正しい実学の人がもっと増えるともう少し世の中が良くなるのではないでしょうか。