2014年12月16日火曜日

音楽と絵画・祈りに寄せて:落ち葉美術館、秀友画廊 展覧会

落ち葉美術館
 落ち葉美術館のことをどこで知ったのか今になって記憶にありませんが1ヶ月ほど前に黒姫のふもとに平山さんご夫妻をお尋ねすることができました。
 落ち葉美術館は1年に1日だけ113日に平山和子さんの落ち葉の絵を展示する美術館でしたが何年か前に惜しまれながら閉館されたのでした。
私が訪れたその空間は素朴でありながら豊かで、シンプルでした。
  落ち葉を美しいと思うことは誰にもあることですが平山さんはその落ち葉の美しさをそのまま残したい、との芸術家の思いから落ち葉に関心を持ち描きはじめられたということですから、観察も鋭く丹念に描く技術と自然に対するやさしさと畏敬の念をお持ちの方であることがわかります。今回の展覧会に3点の作品を出品していただいていますが落ち葉を描くことに関してお書きいただいたメツセージをここに紹介いたします。
 
          落ち葉を描いているとき感じること。 
 
 一枚の落ち葉を一心に描いているとき、わたくしは様々な風景や音を感じいろいろの風土を旅しているように感じます。或る落ち葉は消え去る前の永い低音、鎮魂曲などが聞こえます。落ち葉の国というものがありそこに誘われていつたように感じます、、、続                                                                        平山和子
 
 
平山さんの作品
 
 
平山さんの画集
 
 
 平山さんの画集
 
 
 都会のビルの間の小さな公園にも落ち葉が美しい。つい手に取り本の間に挟むことがあります。そして人間の手にならないものに対する感動があります。

 


2014年12月11日木曜日

音楽と絵画・祈りに寄せて 奉納花、秀友画廊 展覧会

 久しぶりに展覧会を企画して昨日から展覧会がはじまりました。

9坪しかない狭いスペースに画廊コレクシオンに加え14人の創造者達の作品をどのように並べたらいいのかずいぶん苦慮しました。

 画廊といえばゆったりと展示するのが本来の姿かもしれませんが私はこのスペースはそれなりに価値あるものとみています。

 小品をと思いましたが竹田鎮三郎氏の80号の作品、奉納花をどうしても展示したいと思いました。評論家でありコレクターであり初代の町田市立国際版画美術館の館長であつた久保貞次郎氏が竹田さんの才能を世に知らしめ版画の総目録もつくられ色々な意味で応援されておられたのですが、何年か前に久保氏も世を去られました。

 竹田さんは現在もメキシコに住んで制作しておられます。清水たまこさんを通じてこの作品についてのメツセージをお願いしていましたらたまこさんから

ご丁寧なお言葉とともに奉納花についてのメツセージをお送りくださいました。

 
   奉納花

   10月、メキシコにお盆の季節がきました。

   女たちはマリーゴールドの花を馬に乗せて市場へ。

   人々は山吹色のその花で祭壇を飾ります。

   ご先祖さまとのひとときを家族とともに過ごすのです。

                       竹田鎮三郎
 
 


「音楽と絵画「祈」によせて」展覧会開催 秀友画廊

 音楽と絵画のはざ間で、響き展というのを企画したことがありました。その案内状に「時折絵画を前にしたとき、どこからか音楽が聞こえてくる。そしてそこから異次元の世界にいざなわれる。絵画の持つ力、音楽が奏でる力、これらは、言葉以上の表現があるのではないでしょうか」音楽も絵画も言葉少なに日常に彩をもたせてくれる魅力的な世界、と書きました。
 そのパート2というわけでもありませんが美術作品から何か凄さを感じたり目に見えない霊的なものを感じたりする不思議を思うことがありました。
 空の色、風の音にも、秋になり落葉にも何か心打つものがあるようにおもわれます。

 ご縁のありました方たちにお声をかけてこの課題で作品を制作していただきそれぞれ作品にキャプションをつけていただくことにいたしました。2014年の最終月にどうかお立ちよりいただけましたら幸いです。
出品者
池田宗弘  此木三紅大  為金義勝  出井保勝  竹田鎮三郎  鈴木與四郎
野田朋子  宮腰栄子   西村一夫  村岡顕美  渡辺藤一 平山和子
萩原朔美  深山護之助  畦地梅太郎
ルオー ミレー コルビッツ バルラハ バーサ・ラム ヘレン・ハイド 古典版画 他
(ポストカード、書籍などの販売も致します)
 

会期:2014年12月10日(水)~12月25日(木)
日曜休み、祭日開廊 午後12時~午後6時
会場 秀友画廊  東京都中央区銀座7-8-1 丸吉ビル6F 

秀友画廊
代表:浅野 恵巳
〒104-0061 東京都中央区銀座7-8-1 丸吉ビル6F
TEL&FAX:03-3573-5335
関連URL:http://ginza.shuyugallery.com/
E-mail:shuyugallery@gmail.com

2014年5月18日日曜日

美術作品でもメンテナンス


 拝啓 

 過日はお忙しいところ、電話でお話させていただくことが出来ましたこと感謝いたします。有難うございました。
 お電話いただけるとのことでしたが再度私なりの見解を述べさせていただきたく手紙をもう一度だけ差し上げることに致します。私は永年の経験から湿度の多い日本では紙の作品、水彩や版画に関してはよほどの注意をしなければならないと考えてきました。 シミやカビ、そして退色の恐れがあるからです。
それらのことを考えてときどき額縁の裏の紙をとりかえたり展示する場所に注意も必要ですし美術作品でもメンテナンスが必要となります。 ムンクのあの作品は当時、1000万円以上の価格でしたがもし当時のままのコンデチオンでしたら当時よりも評価が高くなっていますし誰もが欲しがる名品といわれているものです。しかし若し退色がひどくシミ、カビなどが画面にあれば価値がさがってしまいます。
 私はアメリカに行くことが多いのですが一流企業といわれている会社はかならず価値ある作品を所有し、アートの専門家をやとっています。先日の会話の中で美術品のことはどこかの会社に頼んでいます、、、とのお言葉でしたが失礼ですが私の聞いた事のない知らない名前でした。また、倉庫に入れてありますとのことでしたが湿度や換気の調節が出来ています倉庫でしたら問題がありませんがそのあたりはいかがでしょうか。
 美術品も会社の大切な財産だと思います。
他にもご購入いただいた作品もありますが一度拝見できればと思い総務部長様のご理解がいただけますようお願いもうしあげます。
                                 敬具
 2年ほど前に某社の社長宛に同じような内容の手紙を書いた。しかし何の返事もいただけないので、最近絵画等の管理をしている部門のチーフに宛てて再度出したものが上記の手紙である。今度は手紙を出したと電話でフォローした。しかしその後やはり何の反応もなく今に至っている。
  以前、ドイツの当時のヴァイツネッガー大統領に、ドイツのアーティスト、ケーテ・コルビッツの重要な展覧会を企画したとき、小文を書いて欲しいと依頼の手紙を出したことがあった。それに対してはまもなく大統領秘書から丁寧な返事がファックスで届いて驚いた。国のトップが遠い日本の会ったことのない人からの手紙にきちんと返事をする国、狭い東京の中で、調べれば30数年の実績をもつことが分かり、身分を明かして明確な用件を述べているのに、一度も返事をしない日本の経営者、この違いをおかしいと思わずにいられない。