1980年代後半から1994年ころ迄日本はかつてない好景気となり、バブルタイムと言われる時期がありました。株式や不動産の投資ブームが起き、絵画の世界でもそうでした。私はこの当時を目の当たりに見、渦中にもいたのでした。
しかし、主に西洋版画を扱い、それも日常見られる類のものでなく美術史上価値あるといわれていたミュージアムピースでしたから、一般の絵画ブームの喧騒に飲み込まれませんでした。おかげさまで日本の建設ブームと相まって美術館の建設もさかんに行われ、多くの秀れた版画を美術館などに納めることとなりました。
今、ここ10年以上、当時建設された美術館や文化センターがどのように運営されているのか・・・最近少しずつ以前おつきあいのあった美術館の訪問などを再開しました。
私が美術館に出入りしていたころの学芸員の方たちはほとんどが退職されたり、地方の美術館の館長になられたりしておられ、現在中心となって運営に携わっておられる若い学芸員の方たちとお会いすることが多くなっています。美術館の収集費が予算から削られて購入することができないという現状のようです。
素晴らしい建築でありながら、運営に苦しんでいる美術館が数々あると聞いています。
安部首相は海外に多くの貢献をしようと莫大なお金を使っていますが、まず日本国内に目を向け声を聞いてほしいと思うのは私だけではないと思います。文化にもっと予算を、と声を大きくしたいのです。
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